神谷浩史、井上和彦ら出演『SOUND THEATRE×夏目友人帳~音劇の章 夏霞~』オフィシャルレポート到着

音楽や舞台美術、照明などで想像力を刺激する新感覚・音楽朗読劇『SOUND THEATRE×夏目友人帳』。その8年ぶりの新作となる『SOUND THEATRE×夏目友人帳~音劇の章 夏霞~』が7月18日、東京国際フォーラム ホールAで開催された。

アニメ『夏目友人帳』のキャストが集結し、ミュージシャンの生演奏と共に、ひと夏の忘れ難い物語を紡いでいく。以下、初日夜公演のオフィシャルレポートを紹介する。

会場となった国際フォーラム ホールAのキャパシティは約5,000人。朗読劇の規模としてはかなり大きいものだが、2階席までびっしりと埋まっている。ステージには森や木々を思わせるような装飾が施され、灯籠を模した照明が吊り下がる。水の音や鳥のさえずり、そして遠くに聞こえる祭囃子。日常の喧騒から隔離されたような幻想的な空間がそこに広がる。

客電が落ち、ステージでミュージシャンのチューニングが始まると、それまでざわめきのあった客席は水を打ったように静まり返り、これから始まる物語への期待と緊張に包まれた。

サウンドシアターのもう一方の主役とも言える音楽を担うのは、アニメ『夏目友人帳』の劇伴の作曲家でもある吉森信だ。今回もピアノの演奏を務め、アンサンブルを率いて物語を彩る。

『きみが呼ぶ名まえ〜夏目友人帳のテーマ』が演奏されると、空間が一瞬にして『夏目友人帳』の世界へと変わる。ステージには役柄を彷彿させる和風の衣裳に身を包んだキャストが登場する。

第一幕は、音劇版「水底の燕」。第一期の人気エピソードで、かつてダムの水底に沈んだ村で出会った妖・燕の願いを叶えるために、夏目が奮闘する物語だ

うだるような暑さのなか、夏目はクラスメイトの西村と北本とともに、かつてダムに沈んだ村を見に行き、燕の妖に取り憑かれてしまう。光と音を巧みに使った、音劇ならではの妖の表現が興味深い。

どこかおかしみのある妖怪たちとのシーンでは音楽もコミカルだ。特にインパクトが大きかったのは、『荒ぶる神の降臨』で楽器として使われた「シャウティングチキン」と呼ばれている鶏のおもちゃだろう。ちょっぴり間抜けな音で、会場の空気が緩む。ニャンコ先生と、燕の言い争いも子供の喧嘩のようで微笑ましい。

燕の願いは、かつて自分を救ってくれた谷尾崎という人間に逢いたいというものだった。夏目はその願いを叶えてあげようとするが、妖である燕の声は、普通の人間には届かない。それでも、谷尾崎の姿を見ることができた喜びで、燕は届かぬ声をかけ続ける。その嬉しそうな姿がいじらしく、かえって胸を締めつける。

斑の姿に変身したニャンコ先生と垂申が丁々発止を繰り広げる中、夏目は燕の力になりたいと真っ直ぐな想いを言葉にする。そんな夏目に絆されて、ニャンコ先生だけでなく垂申も夏目に協力する。

クライマックスは、4年に一度開催されるという妖たちの祭のシーン。ステージには赤い提灯が吊り下げられ、和太鼓や笛の音が響き渡る。燕の願いが本当の意味で成就するように、必死になる夏目。ニャンコ先生は助太刀すべく、再び斑に変身する。そこで夏目が手にしたものとは。そして、燕の願いは――。

夏空に溶けていくようなラストの夏目のモノローグはどこまでも優しく、アンサンブルによる音楽が物語の余韻を包み込んだ。

休憩を挟み第二幕へ。演目は音劇版「いつかくる日」。想いを寄せ合う人と妖の物語だ。

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